創業後こそが本番──「続けるための経営」が必要になる
創業準備の段階では「商品づくり」や「販路開拓」を優先しがちですが、実際には 創業後の経営管理こそが、事業が続くかどうかを左右します。
特に創業1〜3年は、売上が安定せず支出は先に発生しやすいため、資金繰りや顧客維持の仕組みを早い段階から整えることが大切です。
キャッシュフロー管理:黒字倒産を避けるための最低限の視点
創業直後の失敗で最も多いのは「利益が出ているのに資金が足りなくなる」ケースです。つまり黒字倒産です。
これを避けるためには、売上よりも先に現金の流れ(キャッシュフロー)を見る習慣を持つ必要があります。
最低限おさえておくべきポイント
- 月次で入金・出金を予測する(キャッシュフロー予測表)
- 固定費(家賃・人件費)をコントロールする:売上が読めない時期は特に重要
- 在庫を持つ業態は在庫回転に細心の注意を払う(物販の場合)
- 入金までの期間を短くする工夫:前受金、サブスク化、回数券など
- 支払いサイトをできるだけ後ろへずらす:仕入れ先と交渉
キャッシュフロー管理は難しいものではなく、「あと何ヶ月この資金で事業が回るか」を常に把握するだけでも、大きな経営判断ミスを減らせます。
顧客維持とリピート対策:創業期こそ“新規よりリピート”
創業直後の事業者は「とにかく新規を増やそう」と考えがちですが、実際に事業を安定させるのは新規ではなく、 リピート顧客・固定ファンの存在です。
マーケティングでも一般に「新規獲得はリピート維持の5倍のコストがかかる」とされており、小規模事業は特にこの差が大きく響きます。
創業期にやるべきリピート対策
- 顧客リストを必ずつくる(メール、LINE、フォーム…媒体は問わない)
- 接触頻度を保つ仕組み:ニュースレター、SNS更新、予約フォロー
- 再来店・再購入を促す仕掛け:次回予約、クーポン、回数券、サブスク
- 既存顧客の声を改善に使う:レビュー収集、短いアンケート
顧客維持を仕組み化すると、売上の底が固まり、広告費をかけた新規獲得にも挑戦しやすくなります。
創業後の早いタイミングで「お客様が離れない仕組み」づくりを進めることが、長期的な経営安定につながります。
