これまでのシリーズでは、流入対策、コンバージョン改善、PDCAサイクルと、3つのテーマでECサイトの改善方法を解説してきました。
今回はその総まとめとして、「何から始め、どのように成果を定着させるか」を整理します。中小企業でも無理なく実践できる、ECサイト改善の全体像を描いていきましょう。
① 流入対策:まず「来てもらう」仕組みを整える
どんなに良い商品を用意しても、見てもらえなければ意味がありません。 最初のステップは、サイトに訪問してもらう「入口づくり」です。
主な流入経路は、検索エンジン(SEO)、広告(リスティング・SNS広告)、SNS発信、メールマガジンなど。どの経路が効果的かは、業種・顧客層によって異なります。
Googleアナリティクスを使えば、どの経路から訪問が多いのか、直帰率が高いページはどこかといった分析が可能です。流入の「量」だけでなく、「質」(=滞在時間やCVR)を合わせて見ることが重要です。
② コンバージョン改善:来た人に「買ってもらう」
次に大事なのは、訪問者を購入や問い合わせにつなげる「体験設計」です。 流入意図を読み取り、ユーザーが求める情報や導線をスムーズに設計することが鍵になります。
たとえば、カートに入れたまま離脱する「かご落ち」は、購入までの障壁がどこにあるかを示す重要なサインです。決済ページの入力負担、送料表示の不明確さ、スマホ操作のしづらさなど、離脱箇所を特定して改善していきます。
また、関連商品を提案する「クロスセル」や、上位モデルへの誘導「アップセル」も重要です。これらは「一人あたりの購入単価」を上げる手段であり、顧客満足度を損なわない形で提案する工夫が求められます。
③ PDCAサイクル:改善を仕組みにする
最後に、施策をやりっぱなしにせず「改善を続ける仕組み」をつくります。 Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)の流れを回し、データをもとに再設計を繰り返すことがポイントです。
このとき重要なのが、要素分解による「目的の明確化」です。 「何を改善するために、どの数字を見ているのか」を整理しておくことで、行動の焦点がぶれません。
経験の浅い担当者ほど、「言われていることは分かるけど、具体的に何をすればいいのか」が分からない状態に陥りがちです。当社では、そうした担当者と一緒に分析を行いながら、社内でPDCAが回るようになるまで伴走支援を行っています。
まとめ:EC改善は「一度きり」ではなく「続ける仕組み」
ECサイトの改善は、一度のリニューアルや広告施策で完結するものではありません。 「来てもらう」→「買ってもらう」→「改善を続ける」という流れを仕組みとして社内に定着させることで、成果は継続的に積み上がっていきます。
当社では、単に代行するのではなく、クライアントの担当者が自ら数値を読み取り、次の打ち手を考えられるようになることを重視しています。 データを活用しながら「自走できるEC運営」を目指す企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
